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札幌市|ベートーヴェンのクレッシェンドについて【音楽工房G.M.P】

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札幌市|ベートーヴェンのクレッシェンドから見えること【音楽工房G.M.P】

札幌市|ベートーヴェンのクレッシェンドから見えること【音楽工房G.M.P】

2023/04/10

ベートーヴェンのクレッシェンドの特徴

 

札幌市南区真駒内駅近くの音楽教室(ピアノ教室、声楽教室)、音楽工房G.M.Pの大楽勝美です。以前ブログにも書いたことがあるのですが、クレッシェンドの解釈の仕方や考え方について気になる演奏が最近、多いのでまた、述べてみようかと思います。

ベートーヴェンの時代になって頻繁に出てくる古典派のcrescendo(cresc.)の文字やマークについての演奏解釈です。特にベートーヴェンのクレッシェンドについての間違いを理解されていないような気がいたします。おおまかに言うと、「クレッシェンドは遅めに、ディミヌエンドは早めに」という原則です。古典派や特にベートーヴェンのクレッシェンドは、絶対にテンポを上げながらかけないことがとても大事だということです。フォルテやピアノのメリハリをクリアにつけることはベートーヴェンの作品の特徴と言われていますが、その中に出てくる感情の高まりを表すクレッシェンドやディミヌエンドマークは彼にとってはとても意味のある表現なわけです。クレッシェンドマークの始まりはまだ前の強弱なのにマークや字を見た途端、もう強くなる方がいますが(よくあるケースですが)強さも速さもガマン、ガマンなのです(笑)。このことをしっかり実行するだけで、地に足をつけた迫力のある演奏に早変わりです。

自分の感情を抑えきれない激しい演奏は、ベートーヴェンや古典派の演奏スタイルを理解しているとは言えないのです。しかしながら、楽譜もいわゆる「原典版」(研究譜を)使用することが必要です。上記の楽譜は編集者がクレッシェンドやディミヌエンドを付け加えた「演奏譜」といういわば参考書みたいなものなので、楽譜の選び方にも注意しなければなりません。

作曲家の意図をしっかり再現できる演奏が最近の演奏会やコンクールにおいても少なくなっているのは大変残念です。ショパンやプロコフィエフなどを上手に弾ける方が、必ずしもベートーヴェンやモーツァルトを自分の感情をコントロールできないような演奏が、クレッシェンド一つを取ってみても大勢を占めていることに若干の危惧を覚えるのです。

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