札幌市|トリルを弾く時、怖いですか?【音楽工房G.M.P】】
2021/05/13
意外と知られていないトリルの弾き方
札幌市南区のピアノ教室、真駒内駅近くにある音楽工房G.M.Pの大楽勝美です。本日もブログをご覧いただき、ありがとうございます。ピアノのテクニックで意外とお悩みが多いのが「トリルの入れ方、弾き方」ではないでしょうか。「バッハなどのバロック作品のトリルはこういう風に入れて」とか「古典派やロマン派以降のトリルはこうやって弾けばいい」というように、マニュアル的な文献やYou Tubeなどで目にすることが多いのですが、結局「分かったような分からないような」曖昧さも残ってしまうこともあります。しかし、それは当然だと思います。何せトリルの種類といったらバッハだけでもトリッロ、モルデント、ターン、結尾音付きの長いトリラー、下降接頭音と結尾音を持った長いトリラー••••等などもうイヤになるくらいの種類があります。これだけのトリルをひとまとめに「トリル」として扱うこと自体が無茶な話です。バッハの息子のフリーデマン•バッハのために書かれた「クラヴィーア小曲集」の巻頭にバッハが作成した装飾音符表が載っていることで一般的に知られてはいますが、この装飾音符表もシミ等で隠れている場所もあり、全部かどうかも分からない、極論すれば本当にバッハが書いたのかどうかも怪しい、とする文献もあるくらいです。トリル本来の意味は「ふるえ音」とか「震わせる」です。震わせ方にも色々方法があります。よく、トリルの入れ方は「書いてある音符の音から入れるのが正しい」という人がいますが、必ずしもそうではありません。場合によってその音から入れる場合だってあるのです。上の音から入れないと間違いだという信頼性にも少々「?」がついてしまいます。実際、昔の大ピアニスト達の録音を聴くと、20世紀の最初は上から、昭和の半ばから終わりに近い頃まではその音から、と変化しています。その時代の演奏のスタイル、流行がトリルひとつ取ってみてもあるということです。現代は上からが流行っていますがそれも演奏のスタイルのひとつでもあるわけです。しかしながら、じゃあどうやって入れればいいのか?一番シンプルで「間違いのない入れ方」をまず、身につければいいわけです。「そういう弾き方はあるのか?」と問われれば、「あります」と自信をもってお答えできます。そしてそのためには、トリルの弾き方の基本的なテクニックを覚える事だと思います。どこでもいくつでも好きなように音色もコントロールしながらきれいにトリルの音を弾けるようになれれば、トリルに対しての「色々な意味での怖さ」がなくなるはずです。それから自分なりのトリルの入れ方のパターンを作っていけばいいのだと思います。トリルを弾くテクニックについてはYou Tube「音楽工房G.M.Pチャンネル」の“だいらくかつみのピアノ塾”の中で、ご説明いたします。二、三日中にアップしますので興味のある方は是非ご覧ください。ハノンの第46番の練習は必要ありませんよ(笑)。お楽しみに!