札幌市|レッスン雑感【音楽工房G.M.P】】
2022/12/13
積み重ねが大切ですね
札幌市南区にあるピアノ教室、音楽工房G.M.Pの大楽勝美です。いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。今年も残り少なくなってきましたがいかがお過ごしでしょうか?
当音楽教室にはもちろん、通われているや生徒さんや保護者様にとって「通う目的」は千差万別です。ただ、「楽しみながら上手になれたら」という思いはみなさん同じではないでしょうか?そして上手になった結果を発表会やコンサートやコンクールで確かめたい、大人の方の中には、練習することそのことのプロセスを楽しみながらピアノを弾いたり歌ったりしたいなどありますが、でも「楽しんで」という条件がついてくるわけです。大人の方は自分の意志がはっきりしているのでこちらもペースもつかみやすく、それこそ「楽しみながら」レッスンができます。
小さなお子さまの場合はどうでしょう?マイペースで楽しくやりたい時とあえてコンクールなんかにも目標として挑戦してみるのもいいかなぁ、などと結構複雑に変化することもありますね。
今のお子さまたちはピアノや声楽以外にも習い事や塾などで1週間のスケジュールが学年が進めば進むほど埋まっていき、練習時間も少なくなっていくようです。なのでまだ、比較的余裕のある小学校1、2年生くらいから3、4年生にかけて力を入れてコンクールなどに挑戦することが多いようです。大体のコンクールは参加者が多いのはこのあたりの学年です。
最初はどんなものなのか取りあえず受けてみて、うまく行けば「じゃあ来年も」、うまく行かなくても「来年頑張ろう」という風にコンクールが目的、目標になっていくこととわけです。でも、それが悪いことだとは決して思いませんが、問題は「競う曲」だけやっていてもピアノの上達は望めないということです。
昔ですが、音大でも1年間でさらう曲は前期と後期にある実技試験の曲だけという学生もいました。もちろん、エチュードやバッハもやってはいるのですが、いわゆる「そういう曲」は多くても4曲くらいしかさらわない学生が結構いた時代もありました。それは、試験でいい成績を取るとコンサートに出演できたり、大学の定期演奏会に出演できるなどのご褒美があるからなのです。ここには「競争」することによって学生たちの演奏レベルを上げるという「競争意識」があるからでした。今はコンクールに軸足が移っているかもしれませんが。コンクールを受けるとなると、1年に2曲とか4曲どころではないので学生さんたちにはいいことかもしれませんが(笑)。
さて、小さいお子さん達は「音楽を楽しく」弾いたり歌ったりしたい気持ちは強いのに、時には競い合う場になってしまってレッスンが「修羅場」になってしまうこと、レスナーはこれだけは絶対にやってはいけないことだと思うわけです。
【楽しみながら上達】していく先にコンクールや発表会、コンサート、はたまた練習の楽しさを味わう回路作りを楽しむといったことがあれば皆さんがハッピーになれるのです。そんなことが実際にできるのかと思われるかもしれませんが、それが「できる」んです!
「できる」ためには何が必要なのでしょうか?それは、「マメに理解を積み上げる」ことです。何でもそうですが途中で分からないこと、それはピアノだとタッチや楽譜の読み方など、基本的なことが理解できないで先に進むとやがてはそれが悪い癖となって直すのに大変な時間がかかり、そのうち面倒くさくなってやめてしまい、クラシック音楽自体が嫌いになることにもつながりかねません。
競争しながらでもあるいはそんなことに関係なく楽しみながらでも、やっぱり大事なのは「基礎練習を楽しく理解しながらマメに続けること」に尽きるかもしれません。スポーツする時にいきなり100メートル走ったりマラソンに挑戦!などと無謀なことはするわけがありませんよね?準備運動を念入りにしてから本運動へは当たり前です。声楽も体操をしたり、発声練習してから曲を歌います。ピアノだってエチュード、バロック、またテクニックルーティーンから曲へという順番は当然といえば当然です。いきなり曲を。。などとよっぽどでない限りやってはいけないことかもしれません。
ラヴェルやラフマニノフはバリバリうまく弾けても、ベートーヴェンなどの古典派が弾けないピアニストはホントの意味でのピアニストではないと思います。
最近はそういう人たちがとても増えましたね。。小さい頃からの積み上げができていない、感性だけを積み上げ、理性が育っていないということですね。この原因もコンクールの弊害によるところがひょっとしたらあるかもしれません。コンクールの利用の仕方を間違えないように気をつけてほしいものです。
「温故知新」。。クラシック音楽がこれだけ影響力があるのは先人たちの「音楽の歴史の積み重ね」があるのかもしれません。コツコツと積み重ねられた物事に勝ることは絶対にないと思うのです。